19回目、そしてここから-2019年 今年もありがとうございました

2019年の「鉄路展」は、9月16日(月・祝)17時、15日間の展示を無事終了いたしました。
最終日の会場の様子とともに、閉幕のごあいさつを申し上げます。

この15日間、ほぼ雨とは無縁だった今年の本展。しかし、最終日の今日は昼頃から雨が降り出しました。
午後には一時強く降る時間もありましたが、傘をさして会場内をめぐり作品をご覧下さる皆さまの姿が見られました。
最終日、自分たちの作品を見納めに、そして搬出を控えて、出展者たちも続々と会場にやってきます。
お客様と作品や写真について話す時間も、これからの作品づくりや写真の楽しみ方へのヒントになっています。

17時、休日ですが小樽運河沿いの北海製罐の工場からサイレンが鳴りました。この音とともに、今年も閉幕を迎えます。

19回目の『2019 小樽・鉄路・写真展』は、9月16日(月)17時をもちまして、無事15日間の全日程と展示を終了することができました。
おそらく本展史上初めての雨が降るシチュエーションでの搬出となりましたが、2時間ほどで作品が全て搬出され、消灯されて街灯の明かりのみになった旧手宮線に、静けさが漂う夜が戻ってきました。

今年は昨年のような台風の到来もなく、近年の中ではもっとも穏やかな天候の中で開催することができました。
出展者18名と、近年の中でも少ない人数ではありましたが、広がりのある展示方法がより増えたことや、何より写真そのものと向き合うことへの意欲を大切に、今年も唯一無二の写真展を作ることができました。
「鉄路展」はただ単に作品を出すだけでなく、展示方法をも自らが考え作り出す写真展です。19回の歴史の中で、フィルムからデジタルへ、そしてSNS時代へと写真を作り伝える環境が変化し、自分の表現をどう深め伝えるかということがより強く求められている今、リアルな空間、それも野外でオリジナリティ溢れる写真表現を創り出すことにこだわってきたこの写真展の意義やその楽しさは、より高まっていると信じます。
2000年から始まり、2013年の遊歩道工事の年を除いて毎年続けてきた「鉄路展」は、来年の開催で20回目を迎えます。これを機に改めて本展の意義と楽しさを広げ、ともに作る仲間を増やし、そしてこれからも続けていくために、出展者間のコミュニケーションや情報発信の強化などを図り、会期にはさらに充実した写真展を実現できるよう、年間を通して活動する実行委員会の組織を再構築することとなりました。
出展者の私たちも声をかけていきますが、ご興味・ご関心のある方も、来年はぜひご一緒に展示ができたらうれしいです(参加や展示の方法などを丁寧にお伝えいたしますので、会期でない間もお気軽にお問い合わせください)。

皆さまの印象に残った作品・出展者はありましたか? 今年もたくさんのご感想やメッセージ、アンケートへのご回答をいただきました。今後の作品づくりや写真展の活動に、大切に生かさせていただきます。
また、会場近隣の皆さま、土地管理者の小樽市役所さま、照明設営の石崎電気商会さまはじめ、皆さまのご理解とご協力にも、改めてお礼申し上げます。

この20年で、本展は私たちが想像する以上に地元のみならず多くの皆さまに夏の終わりを感じていただける写真展になりました。”自分なら写真でこんな形で表現する”……そんなこだわりを持って、自由な空間に開く。それができる場所が「鉄路展」です。
来年で開通から140年、明治・大正・昭和・平成、そして5つ目の時代・令和を迎えた旧手宮線と、この一筋の鉄路とともにあり続けてきた小樽の街の歴史の一コマになる写真展として、この場所、そして写真だからこそできることに挑み続けながら、新たな仲間も迎えて、20回目の『小樽・鉄路・写真展』に集まろうと思います。
来年も、夏の終わりにお会いしましょう。今年も本当にありがとうございました。

●『2020 小樽・鉄路・写真展』は、例年と同時期(原則8月末から9月上旬の2週間)に開催の予定です。詳細は決まり次第お知らせいたします。

(ウリュウ ユウキ)

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